床の間

  • 材料: ウェスタンレッドシダー

浮草庵

もともとのアイデアとして3畳間の小さな茶室を建てるのが始まりでした。

茶室と言うよりは、和と洋を融合させたモダンな立方体の小屋です。構造をH鋼で浮かせ、地面から浮遊させることから小屋の名前を付けました。 構造体の組み継ぎはドイツ南西に位置する黒の森にある民家の建て方を参考にしました。

構造材はウェスタンレッドシダーを使いました。材の強度を考え、組み継ぎ方を更に考慮しました。外壁・屋根材はウェスタンレッドシダーのシングルスを一枚一枚ずらしながら固定、特に両側面の壁面には焼き杉シングルスを不規則に取り込み、パターンを作ってみました。 雨に濡れずに縁側で座れるように、軒を深くとりました。

内壁には土壁、床には半畳サイズのタタミを敷きました。扉は日本から取り寄せた古い引き違い戸を再利用しました。

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移住民対話(サイドボード)

  • 材料: ブナ合板、ウェスタンレッドシダー、メランティ、マツ

ベルギーに移り住む1人として、頭の片隅にいつもあったテーマです。 ベルギー社会・規律を四角い箱で、有機的なフォルムを移民である脚に、4本の脚をそれぞれの民にたとえました。前右脚はアフリカからの移民、前左足は中東からの移民、後右脚にはアジア系移民、後左脚にはラテンアメリカからの移民を表現しました。直線と曲線の接合部はお互いの妥協点ですが、四角い箱、つまりベルギー社会に合わせることが大前提です。

移住にはそれぞれの背後にある文化、宗教、言葉、価値観の違いから不和や調和が繰り返されます。受け入れる側であるベルギーにも課題点はあります。ここではおおまかに各民族で表現しましたが、ミクロのサイズで見ると、同じ民族間の中にでも個人差は大きくあり、それぞれ違った個々の移住民対話が存在します。

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追悼箱

  • 材料: ウェスタンレッドシダー、キリ

「どうしてもキリで箱を作って欲しい」とのことで、キリの共箱を持参していただきました。これらの箱を解体し、それぞれの異なる厚みを均一にそろえるために1枚1枚丁寧にかんな削りしました。内部構造体には糸柾の北米スギ材を選びました。限られた材料寸法のため、キリの木目を縦に走らせました。真田紐を付属させています。