家具:広島茶箪笥

  • 材料: クリ、キリ、コクタン、タモ泡杢の化粧板

家具:教会長椅子

  • 材料: ナラ
  • 寸法: W 2480 x D 300 x H 880 mm

ベルギー・ワロン地方南部に位置するSainlez村のSaint-Pierre教会に伝わる長椅子です。背もたれの裏にチューインガムがこびりついていました。当時を偲ぶエピソードとして楽しい発見です。

座面がセンターで切断されていました。この部分に埋木し、裏から更に補強しました。 柄がむき出しの脚に靴を履かせました。色のコントラストを残すため、あえて色合わせは行いませんでした。

家具:水屋箪笥

  • 材料: クロガキ、ケヤキ、ヒノキ、スギ、コクタン
  • 寸法: W 1200 x D 460 x H 1690 mm
  • 時代: 明治
  • リマーク: 2段重ね 希少なクロガキ網杢、ケヤキ泡杢

本体にはヒノキの糸柾が存分に使われ、扉・抽斗の見付けにはそれぞれ希少で高価な銘木材が用いられています。扉の擦り切れる部分には固いコクタンがアリで嵌め込まれ、劣化を抑える働きをしています。すべて無理なく分解が可能な作りになっており、後世の修復を念頭に置いた?わけではないでしょうが、家具作りのお手本となるような構造をしています。

天板の上に重たいものを乗せれるように内部から補強しました。各パネルの割れに埋木を施しました。虫食いにあった部材を薬品で処理し、接木をしました。緩みのあるかまち組を分解し、痩せた柄を補強し、再度組み上げました。使い勝手がいいように、内部の棚を更に1つ追加しました。日焼け・汚れを落とし、塗装せずに白木仕上げにしました。

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家具:ルイ・フィリップ様式 コモード

  • 材料: マツ、ナラ、マホガニー

見付けの杢がブックマッチしています。本体下地はマツ材で組み立てられ、外装はマホガニーベニヤ、内部はナラのベニヤで化粧され、背板は無垢ナラ材で作られています。扉の表面にある割れは下地構造の框に沿って起きています。天板・本体側板にある割れは下地木部の割れに伴うものです。接続部がすべて緩み、天板を上から釘で打ちつけてやっと本体を固定している状態でした。過去に修理された跡もあります。

古いフレンチポリッシュを取り除き、すべて解体しました。割れ止めのために側内部に接着されていた合板を取り除き、本体側板の更なる割れを防ぐためにフレームを強化しました。再び本体を組み上げ、腐っていた脚を新調し継ぎ足しました。抽斗も解体し摩擦によって擦り切れた抽斗側板に新たに木を付け足し、再組みしました。抽斗削り・当て桟を追加し、抽斗調整しました。天板を動ける状態で固定しました。扉の化粧ベニヤを剥がし、下地框構造を補強しました。本体側板の割れにマホガニー材をうめ、欠損または割れているベニヤとモールディングを修理しました。マホガニーの色合わせをし、フレンチポリッシュで仕上げました。  

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